かつて男性が化粧品にこだわることは、一部の特殊な職業に限られたことだと思われてきました。しかし、その固定観念を根底から覆し、男性のスキンケアを「全世代の常識」に変えたのが韓国という国です。韓国の男性にとって、日焼け止め(サンクリーム)を塗らずに外出することは、靴を履かずに外に出る…

かつて男性が化粧品にこだわることは、一部の特殊な職業に限られたことだと思われてきました。
しかし、その固定観念を根底から覆し、男性のスキンケアを「全世代の常識」に変えたのが韓国という国です。
韓国の男性にとって、日焼け止め(サンクリーム)を塗らずに外出することは、靴を履かずに外に出るのと同じくらい無防備で、恥ずかしいことだとさえ考えられています。
この徹底した意識の源泉は、軍隊という特殊な環境にもあります。
過酷な訓練の中でも肌を保護しようとする意識が芽生え、除隊後もその習慣が維持される。
この「規律としての美容」が、韓国男性の美の基礎体力を形作ってきました。
日本の男性美容が「コンプレックス解消」から出発することが多いのに対し、韓国のそれは「ポテンシャルの最大化」を目指しています。
肌の欠点を隠すのではなく、肌そのものの質を向上させることで、自分の価値を最大限に引き出すという考え方です。
そのため、彼らは成分に対しても非常に博識です。
シカ(CICA)、ヒアルロン酸、レチノールといった成分を、女性と同じかそれ以上の熱量で吟味し、自分の肌質に合わせたパーソ널ケアを実践しています。
この知識の深さが、メーカー側に質の高い製品開発を促し、結果として韓国のメンズコスメ市場を世界最高水準へと押し上げました。
また、韓国における男性美容の普及は、メディアの役割も無視できません。
K-POPアイドルや俳優たちが、完璧に整えられた肌で堂々とメディアに登場し、自分のスキンケアルーティンを隠さず公開する姿は、次世代の男性たちにとってのロールモデルとなりました。
「男がケアをするのはかっこいいことだ」という新しい価値観が、わずか十数年の間に社会全体に浸透したのです。
今や韓国男性の肌は、グローバルな美の基準(グローバル・スタンダード)となりつつあります。
彼らがリードしているのは製品の質だけではなく、「男性はどうあるべきか」という文化そのもののアップデートなのです。