愛知県豊明市では、スマホの使いすぎが生活や心身に与える影響を問題にし、1日の自由時間のスマホ使用を2時間以内に抑えることを勧める条例を設けた。あわせて講演会も開き、子どもから大人まで、時間の使い方を見直すきっかけづくりを進めている。東北大学の研究で、スマホの使用時間が長いほど小中学生の学力が下がる傾向が示され、とくに幼児期と思春期への悪影響が大きいとされた。こうした悪影響の理由は、脳の発達や注意の仕組みなど科学の視点から見れば整理できる。だからこそ、端末の使い方をきちんと決める必要がある。
愛知県豊明市では、スマホの使いすぎが生活や心身に与える影響を問題にし、1日の自由時間のスマホ使用を2時間以内に抑えることを勧める条例を設けた。あわせて講演会も開き、子どもから大人まで、時間の使い方を見直すきっかけづくりを進めている。東北大学の研究で、スマホの使用時間が長いほど小中学生の学力が下がる傾向が示され、とくに幼児期と思春期への悪影響が大きいとされた。こうした悪影響の理由は、脳の発達や注意の仕組みなど科学の視点から見れば整理できる。だからこそ、端末の使い方をきちんと決める必要がある。

発達の重要な時期の脳は外からの影響を受けやすく、乱れが入ると前脳の働きが傷つきやすい
幼少期と思春期は脳が伸びる大事な時期で、感情のコントロールや判断を担う前頭前野はまだ成熟しきっていない。スマホ画面の強い刺激や断片的な情報が脳の発達リズムを乱し続け、前頭前野の機能発達を妨げる。長期の使いすぎは衝動を抑える力を弱め、子どもが自律を身につけにくくなり、将来にも影響する。
断片的な刺激が注意力を削り、集中する力そのものが衰えていくことだ
スマホの通知や短尺動画のように、断片的で切り替えの速い情報に長く触れていると、脳が「すぐ返ってくる反応」を求める刺激に慣れてしまう。こうしたやり方は深い集中が育つのを邪魔し、子どもが一つのことに長く取り組めなくなる。研究で言われる「スマホを触りながらの勉強は効率が落ちる」のは、注意が切れ切れになって深く考える状態に入れず、結果として学びが薄くなるからだ。

有効な思考活動が別の活動に置き換わり、学力の積み重ねが途切れてしまう
スマホを使いすぎると、本来は読書や考えること、実践に回す時間が削られ、学力の積み重ねが途切れてしまう。東北大学が7万人の小中学生を長期追跡したところ、スマホを使う時間が長いほど学力が下がる傾向が見えた。断片的な娯楽が増え、体系的に学ぶ時間と集中が削られるのが主な理由だ。一方で、仮想世界での頻繁な交流は現実の認知トレーニングを弱め、学びの定着や能力の伸びを妨げて悪循環を招く。要するに、スマホの使いすぎが害になるのは、脳が育つ大事な時期の発達、注意の働き、そして本来の認知活動を同時に乱すからだ。豊明市の条例や講演会は、こうした科学的な背景を踏まえた具体的な指針である。仕組みを理解してこそ、子どもに合った無理のない端末利用ルールを徹底し、健やかな成長を支えられる。