2025 年 11 月 5 日、北海道産冷凍帆立貝約 6 トンが中国向けに出荷された。これは 2023 年 8 月の福島第一原発処理水排出を受けた中国の全面輸入停止以来、初めての日本水産物の中国輸出再開である。11 月 7 日の記者会見で鈴木憲和農林水産大臣が発表した同件は、厳格な条件の下での「試験的再開」と位置づけられ、日本水産業の中国市場回帰の第一歩となった。
2025 年 11 月 5 日、北海道産冷凍帆立貝約 6 トンが中国向けに出荷された。これは 2023 年 8 月の福島第一原発処理水排出を受けた中国の全面輸入停止以来、初めての日本水産物の中国輸出再開である。11 月 7 日の記者会見で鈴木憲和農林水産大臣が発表した同件は、厳格な条件の下での「試験的再開」と位置づけられ、日本水産業の中国市場回帰の第一歩となった。

禁令による経済打撃:223 億円市場が消滅
2023 年 8 月の中国の輸入停止は日本水産業に壊滅的打撃を与えた。農林水産省のデータによると、2024 年上半期の日本の中国向け水産物輸出額は前年同期比 92.3% 激減し、わずか 35 億円にとどまる。 特に帆立貝は被害が深刻で、2023 年の中国向け輸出額 223 億円が 2024 年にはゼロに落ち込んだ。北海道は日本帆立貝生産量の 8 割を占め、2022 年時点で中国向け輸出が総輸出量の 93% を占めていたため、漁業者や加工企業の経済損失は計り知れない。
有条件解禁のルール:厳格な監督と資格審査
中国海関総署は 2025 年 6 月 29 日、10 都県(福島県など)を除外した地域の水産物輸入を有条件で再開する公告を発表。北海道は核汚染リスクが低いため、最初の輸出対象地域に選ばれた。輸出には厳格な基準が適用される。放射性物質濃度はセシウム 134・137 合計 50 ベクレル / キログラム以下、麻痺性貝毒は 0.8 ミリグラム / キログラム以下と定められ、日本の基準の 1/30 に相当する。現在、中国の登録審査を通過した企業は北海道・青森県の 3 社に限られ、全ての輸出品は到着後 3~5 日間の検査を経る必要がある。
市場回帰の課題:産量減少と競争激化
帆立貝の輸出再開は産業界に希望を与えたが、多くの課題が残る。 中国市場の状況も変化しており、2024 年の中国の冷凍帆立貝輸入量 18.7 万トンのうち、ロシアが 68%、カナダが 22% を占めるなど、日本のシェアは大幅に侵食された。東京豊洲市場の卸売価格は前年同期の 1.5 倍に上昇しており、価格競争力も低下している。