
個人事業主として仕事が軌道に乗ってくると、頭をよぎるのが「法人化」の文字です。周りからは「節税になる」と聞くけれど、具体的にどのタイミングが正解なのか。実は、かつて言われていた「売上1000万円」という目安だけでは、今は少し足りません。最近の日本では物価も社会保険料も上がっています。今の環境で損をしないための、現実的なラインを探ってみましょう。
「所得800万円」がひとつの分岐点
まず税金の面で言うと、利益(所得)が800万円を超えたあたりが最初の目安になります。個人の所得税は稼げば稼ぐほど税率が上がる仕組みですが、法人の税率は一定のところまで低く抑えられています。この「800万円」を超えると、個人で所得税を払うよりも、法人にして自分に「役員報酬」を支払う方が、全体の税負担が軽くなるケースが多いのです。自分への給料に「給与所得控除」が適用されるのが、大きなポイントですね。
2026年、社会保険のルールが変わる
お金の計算で忘れてはいけないのが、社会保険の問題です。法人になると、社長一人でも厚生年金と健康保険への加入が義務付けられます。これは「社会保険料の負担が増える」ことを意味します。特に2026年10月からは、短時間労働者への社会保険適用がさらに拡大されます。もし従業員を雇っているなら、このコスト増は無視できません。節税で浮いた分が社会保険料で消えてしまわないか、シミュレーションが不可欠な時代になっています。
インボイスの「2割特例」終了を見据えて
もうひとつ、消費税のルールも無視できません。これまでは「インボイス登録をしても納税額を売上の2割に抑えられる」という特例がありましたが、これも2026年9月で終わります。その後は納税額が増える可能性が高いため、あえてこのタイミングで法人を設立し、最大2年間の「消費税免税期間」を狙う戦略も有効です。今の自分の売上が「消費税を払ってでも法人にする価値があるか」を、冷静に見極める時期に来ています。












































